地元横浜の百貨店・そごう内の美術館で開催されている「111年目の中原淳一展」に行って参りました。
とても素晴らしい内容でしたのでご紹介したいと思います。
撮影可能なエリアが限られていましたが、このように中原淳一氏デザインの洋服や着物などが展示されているほか、「スタイル画」、「イラスト」、「挿絵」などの原画や「それいゆ」「ひまわり」「ジュニアそれいゆ」「女の部屋」など氏自ら編集に携わった伝説の雑誌も原本が展示されていてわくわくが止まりません。
そして会場のここかしこに垂れ下がる幕には、中原氏のハッとさせられる言葉の数々が。
外見のおしゃれや美しさのみならず、心持ちの美しさや日常の過ごし方も含めて総合的な意味で「美しく生きる」ことを提唱する氏の哲学を知ることが出来ます。
戦前から様々な分野で活躍されていた中原氏ですが、少女向けの雑誌「それいゆ」が刊行されたのが敗戦間もない1946年と言いますから驚きです。
日本中が日々食べるものにも困窮していた時代です。「美しく生きる」というライフスタイルを提唱することは一見現実離れしているように見えて当時の少女、女性たちにどれほど生きる希望を与えたかは想像に難くありません。
長い年月を経ても少しも古びない中原氏の生み出したものの魅力は、背景に氏の確固たる哲学があるからなのですね、きっと。
ミュージアムショップで販売されていたとても素敵な復刻書籍を購入しました。
雑誌「少女の友」の復刻版と、当時の「付録」を再現・製作されたものがセットになっています。そのクオリティの高さには脱帽です。その質の高さは最早「付録」のレベルではありません。
そして「少女の友」の中身も当時のままなので広告ひとつを取っても時代を感じるものばかりで興味が尽きません。
何と川端康成氏の小説も連載されていました。挿絵は中原氏!
これらの雑誌や付録は以前から読んでいた雑誌「太陽」でも見ていたので、復刻版を手にできてとても嬉しいです♡
最後に、以前中原淳一氏のイラストの生地を使って作った作品を再度ご紹介します。
大人可愛いとでも言いますか、やはり氏の作品の醸し出すテイストは唯一無二のものですね。
「美しく生きる」という中原氏の提唱するライフスタイルの在り方は、カルトナージュにも通じるところがあります。
身の回りの物を自身の美意識に基いて手作りする楽しさがカルトナージュの楽しさだと思います。
「111年目の中原淳一展」は、横浜の「そごう美術館」で2023.11.18~2024.1.10までまで開催されています。
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